愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
ありがとう、さゆり。
心が軽くなってきた。
さゆりが話してくれて、不安がなくなった。
私は、さゆりが圭太を好きでいてよかったと思う。
私が嫌だったのは、自分と同じ風になってほしくないという願望だった。
〈うち、千尋と圭太が仲良くしててなんとも思わない。むしろよかったの。だからありがとう。〉
〈さゆりはこの先どうしたい?〉
〈この先?私はただ笑って過ごしたい。〉
〈私もだよ。〉
辛いのは一緒。
だから乗り越えなきゃ。