愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
圭太と二人っきりより人が沢山いた方がいい、そう私も思った。
それに奈美とさゆりは私の中で仲が良い友達だし、楽しいに決まってる。
私は自転車を止めて、体育館の中に入った。
入り口の靴置き場に靴があった。
圭太と奈美だろう。
私は体育館を覗いた。
「やっほー千尋ちゃん!」
そう大きく腕を振った奈美。
隣にいるのは圭太だった。
二人はネットを手に持っていた。
「ごめんごめん、道間違えちゃって」
「だと思った」
そう圭太が言った。