愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「圭太、引っ張らないで!」
必死でおさえるが、圭太の力に耐えきれない。
「痛い!」
「どけろ、」
バレー用のしかなかった。
しかもとっても高い。
155㎝の私では精一杯だった。
「うちと圭太がやるから千尋は座って待ってて、」
私も…力になりたい…。
二人共165㎝はある。
私には敵わない二人の空間だった。
「千尋ちゃん自動販売機まで一緒に行かない?今ならジュース奢るよ。」
奈美の誘いの言葉にちょっと救われた気がした。