愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


私は体を寄せて圭太の背中に付いた。

「保健室でばんそうこう貰おな。ありえねー量だから。」

「…うん…」


さっき押された人…あの人の言葉が胸を痛ます。


「本当あいつムカつくよな。邪魔ならどけろよ。顔うぜーし。あやまんねーとか常識はずれだろ。な?千尋」


「ごめんね…迷惑かけて…」

「別にいーし。俺も授業サボれるし。」


圭太は他の人となにかが違う。

圭太の言葉に少し嬉しかった。

私なんかに…あんな風に言ってくれて嬉しかった。


「ありがとう。」


私の心のヒーローだよ。
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