愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「そっか…私…とっくの前に…」
涙が頬に伝う。
ただ遠く見つめた瞳から涙が落ちるだけだった。
「フラれたんだ…」
もう4ヵ月前に失恋していた。
そんな自分を隠していた。
嘘を貫き通していた。
限界だったのは夕日君だった。
夕日君だって…好きな人いるかもしれないのにね。
それなのに私は迷惑だよね。
私が夕日君の事を知りたがっても夕日君はそれが嫌なんだよね。
なにも…考えて…なかった。