愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】

――4ヶ月前――

あの時、圭太がいない寂しさを夕日君で埋めていた。


『圭太と何が似てるって?』

誤魔化したつもりだった。

だけど、それは通用しなかった。

夕日君と圭太を重ねて見ていた。

無意識に言った言葉が夕日君に聞こえていた。

なんて言ったのか自分でも気づかなかった。

なんて言ったのか夕日君に聞いてみても答えてはくれなかった。

恥ずかしい言葉ではなかったらいいんだけど…。


あの時は圭太を一番に考えていた。

だから夕日君の気持ちなんて勝手だった。

だからきっと自分勝手にしてきた私への罰が当たったんだ。

< 266 / 326 >

この作品をシェア

pagetop