愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「―――以上をもちまして第68回卒業式を終わります。終礼。」
拍手と共に歩き出す。
この学校が大好き。
先生が大好き。友達が大好き。
初めて笑った時に感じた温もり。
それから沢山の人と触れて信頼できる友達ができた。
私のことをわかってくれて、私のことを励ましてくれて。
田中君、あなたが言った友達なら当たり前という事は私には当たり前じゃなかったの。
だれにも言えなくて、ただ他人の言うことをきいていた。
でもそれじゃダメだってことも分かったんだよ。
それが、今の私です。
最後の教室が待っている。