愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「あれ、田中君ボタン外れてるよ?」


目の前を通った田中君を見ると、上から2番目のボタンが無くなっていた。


「おー、お前ぇええ!!生徒会長のくせに生意気なぁあ!!」


「や、俺はもう生徒会長じゃないですよ、先生。」


「おいこら、ちょっとこい。職員室だ。」


「ぇえ?!ちょちょっと待って下さいって!」


先生に腕で首をしめられながら行った田中君。


「あー、ロマンチックだねぇ~。ね?千尋。」


田中君を遠い眼差しで見つめていたのは奈美だった。
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