愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
いつも通りの学校生活が今日、そうではなくなった。
教室内の様子がおかしかったのだ。
「ヒュー!ヒュー!」
「お?お?お?おー?」
騒がしい。
「いったい何があったの?」
「圭太、理子ちゃんと付き合い始めたんだって。」
その言葉はすんなりと、入っていった。
そして、一気に寒気が走る。
偶然ってなんなの?だって、可笑しいよ。
付き合ったら、偶然隣になれるの?
「きゃああ!」
女子達の甲高い悲鳴。
「やば!すっげぇ!」
男子達の拍手。
私はどうしてもその周りにとけ込めなかった。
圭太に彼女が出来たのに、何故か喜べなかった。