愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】


「続いては2学年のオールメンバーリレーです。」


アナウンサーが喋りだした。

一走者は圭太。

「頑張ってね…」

私からはただそんな言葉しか言えない。


スタートダッシュが始まり、次々とバトンが渡される。


「まじで、あいつおっそ。」

圭太が見ているのは……。

そう私も視線を向けた。

分かっているのに…。


「ほら千尋、ちゃんと走れよ。」


私はただ頑張るしかない。
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