愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「もし、千尋が失ったのなら、圭太だって同じこと。千尋は愛した人を失った。
そして圭太は、愛された人を失った。
―――だから二人とも辛いと思うよ?」
その言葉にじわじわと涙が滲んできた。
……か…な…っ…
いつもありがとう……華奈…っ。
華奈は私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「…頑張ったね」
そう私の耳元で囁いてくれた。
私はこの言葉にどんなに励まされただろう。すっごく、嬉しかった。