ヒミツの王子さま!
大きな目を見開いている日向。
そこから視線をそらすこともできず、俺は固まっていた。
真ん丸の瞳の中に、マヌケな自分が見えて、急に我にかえる。
極度の緊張で、頬が引きつりそうだ。
……ど
どうする……、俺!?
ピクリと眉が動いたのと同時。
突然目がくらむほどの衝撃が、左の頬に走った。
バチーン!
「っ……!」
いきなりの事で、体がバランスを崩す。
ヨロヨロと後退りした俺は、何が起こったのかわからずに再びフリーズ。
「……最低……」
「……へ……」
小さな小さな声が届く。
日向は真っ赤な瞳に涙をためて、俺を睨みあげた。