ヒミツの王子さま!


俯いていた日向は、しっかり俺の後についてきていて。
だけど、真後ろを歩いていたのか、急に振り返った俺に、ぶつかりそうになって立ち止まった。



「……なんで真後ろ歩いてんだよ」

「……え、だ、だって……」




呆れながら言った俺はふと気づく。


あれ?

日向ってこんなに小さかった?
久しぶりに話したのと、こんなに近い距離に来たから気付かなかった。



マジマジと見下ろす俺に、一気にその顔が赤く染まる。
赤くなるって事は……嫌われてはないのか?

赤くなったり青くなったり……女って意味わかんね。



「……なに?……きゃ」



一歩、また一歩と後退りする日向の手をとっさに掴む。


ビクリと震える体。

――ムカ。



「……反応し過ぎ。何もしねぇし」



もうあんな事しないって。
俺だって、結構こたえてんだから。



「あ、……ごめん」



掴んだ腕を離さずに、俺は俯く日向の顔を覗き込んだ。



「謝るのは、俺……。この前のアレ、驚かせてごめん……」

「……」



ピクリと反応して俺を見上げる日向。
その大きな瞳の中に吸い込まれそうな感覚になる。


驚かせて、ごめん。
だけど……。



「だけど、俺。 キスした事、悪かったとは思ってないから」

「え?」






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