ヒミツの王子さま!

グイグイと腕を引かれ俺達は教室の外へ出た。


周りに誰もいないのを確認すると槙野は振り返り、俺の顔を見上げにっこりと笑った。



「ね?あたしの言った通りでしょ?」

「え?」


俺は質問の意味がわからず首を傾げた。


「ほらっ、絶対ナオちゃんは注目の的になるって!」

「・・・・・・」


槙野はうんうんと一人で納得しているようだ。



その仕草はまるで、いんちきな占い師が『あなた最近悩んでますね?』なんて言って、『悩んでます』と答えた時のような、勝ち誇った顔に見えた。



「それって俺が転校生だからじゃねぇの?」



俺は正直に率直な感想を言う。


槙野はムッとしたように俺を見上げると、腕組みをしていた俺の腕を掴んだ。



「こらぁ!もっと女の子らしくしてよっ」



槙野に腕を解かれたその時、背後に気配を感じた。



「あー、お前らこんなとこにいたのかぁ」


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