ヒミツの王子さま！

覚悟した。


“退学”の文字を……。


だけど、成瀬から聞かされた言葉は予想もしてなかったものだった。









「教室に戻るぞ」


「え？」





戻る？





「戻るって……」




どこに？




「聞こえなかったか？教室に戻るんだよ」



そういうと、さっさと職員室を出て行こうとする成瀬。



ポカーンと開いた口が塞がらず、俺はその場から動き出せずにいた。





戻ってどうすんの？
意味……わかんねぇ……。


職員室のドアに手をかけて、俺を振り返った成瀬。



「ほら、早くしろ」



クイッと顎で最速され、俺は言われるがまま立ち上がった。





……ガラガラ



職員室の扉を開けると、その向こうには。


たくさんの生徒が集まっていた。
興味本位なのか、俺を見に来たらしい。




「お前らなにしてんだ！早く教室に戻りなさい、授業始まるだろ」




成瀬が面倒くさそうに言う。



「うそ……男だったの？」

「女の子だと思ってたぁ」


なんてどこからともなく口々に言っている。



聞こえてるっつの。