ヒミツの王子さま!
声のした方に視線を移すと、宮沢壱矢がニヤニヤしてこちらを眺めていた。
「なに、お前らすでにそんな関係なの?
でも気をつけろよ、咲坂は間違いなく女に見える!しかも超がつくほどいい女!
まぁ、そんな魅惑の美少女転校生と、クラスのアイドル槙野日向の危ない関係ってのもそそられるけどな~」
「はあ?」
槙野もよくわかんねぇ事言ってるけど、この宮沢も相当アホかも…
こんなヤツがクラス委員なんて、このA組大丈夫か?
俺が呆れて宮沢を眺めていると、槙野は宮沢に詰め寄り、腰に両手を当てて言った。
「壱矢さぁ、そゆ事は軽々しく口にしないでくれる?あたし達は女同士だから友情が芽生えて当然なの!しかもナオちゃんの運命はあたし達にかかってんの忘れちゃダメだからね!」
……女同士
徹底して俺を女にしようとしている槙野に根拠のない頼もしさを感じる反面…
俺の男としてのプライドがぐらついた気がした。
「…槙野、俺が男なの忘れないでね?」
「・・・・・」
槙野はハッとしてこちらを振り返ったが、すぐに満面の笑顔でこう言った。