ヒミツの王子さま!
俺のケジメ
そして……。
あっという間に時間は過ぎ。
修了式当日。
春休みに入るわけだから、次の学校はまだ決めてないんだよね。
このまま、通信制の学校にしよーかと思ってる。
一応、大学にも行くつもりだし。
って、自分の将来について、今回の事で考えるきっかけにもなったわけで。
ぼんやりだけどね。
学校へ向かう足が、こんなに重たい事があっただろうか。
まるで鉛でもつけてるみたいに、さっきから前に進むのがやっと。
「はあ……」
立ち止まって、俺はふと顔を上げた。
学校へ向かう道には、ずっと植えられてる桜の木。
まだ花を咲かさないその蕾は、暖かくなるのを待っているかのように、ほんのりピンク色をしていた。
でも、桜が咲いたのを見るのは、学校に通う時じゃないんだな……。
なんてね。
柄にもなく感傷に浸ってる俺がいたりして。
なんだかおかしくて、思わずひとりでに口元が緩んでしまった。
しばらくその道を歩くと、見えてきたのは緑に囲まれた学校。
すでにたくさんの生徒が登校してきていて。
通り過ぎるたびに、「おはよー」なんて挨拶を交わしている。
みんなが笑顔に溢れている。
俺の事なんか誰も知らずに。