ヒミツの王子さま!


ギクッとして顔を上げる。



「……るみ」




目を見開いた俺を見て、るみは首を傾げた。



「あれえ? いつもの顔しないの?」


「いつも?」


「ほら、こーやるじゃん」



そう言って、るみは眉間にシワをよせてジトーっと俺を見上げた。



「え、俺そんな顔してんの?」


「してるよー!気付いてなかったの?」




大げさに驚いたるみを呆れながら見て、俺は口をクイッと持ち上げた。



そして一言。




「そんなブサイクじゃねーし」


「え!? なにそれ、ムカつくー!」


「あははっ。 うそうそ」





相変わらずだな。

いつもいつもるみとはこんな感じ。

ほんとにいつもと変わらないから、なぜか嬉しくて。

思わず吹き出してしまった。



「……」



そんな俺を見て、またまた固まってしまったるみ。



「なに?」



今度は俺が首を傾げた。




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