ヒミツの王子さま!

そして今、俺も困っている。



「ナオっち、なにしてるのぉ?」


「えっ?あー・・・なんでもない」


つっ立っている俺を見つけた女の子達が不思議そうに声をかけてきた。


俺は慌てて顔の前で手を振ってみせた。



「ふぅん。変なナオっち!もう休み終わっちゃうよ?」



ケラケラ笑って、クラスの女子が去っていく。



「・・・・」



俺の苦労も知らないで!



女の子達の軽やかな姿を見ていたら、急に脱力感が襲った。



あんなふうにとても振る舞えない・・・



はぁー・・・・



深く溜め息をついて、壁にもたれた。




「ありゃ、咲坂?」



今度は後ろから声をかけられ、驚いて思わず体がビクッと跳ねた。


声のした方へゆっくりと顔を向けた。



眠そうに頭を掻きながら俺を見下ろす人物。




「宮沢」


「なんだよ、そのあからさまにがっかりした顔は。」


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