ヒミツの王子さま!
「……どうも、そうらしい」
「3年になっても、一緒にこの学校に通えるんだよね?」
「……うん」
「今度は、女の子のフリしなくても……いいんだよね?」
「はは。 そうだね」
笑った俺を見て安心したのか、日向の瞳からまた涙がこぼれた。
「なんだよー。ほんっとに日向は泣き虫だな」
「え、な……泣いてないよ」
そう言って、慌てて袖で涙をぬぐう姿が、かわいいと思えてしまう。
それでも、やっぱり笑ってる日向が俺は好きで。
ちょっとだけできるえくぼも好きで。
だから……。
「……ありがとう。
日向のおかげで、俺……ちゃんと言えたんだ。
お前が、俺に気持ち言ってくれたから。だから勇気出た」
「……」
そっとその頬に触れる。
日向が小さく反応して、目が細められた。
「……」
トクン
トクン
心地良い心音が俺の体を支配する。
頬から耳の後ろの手を回して。
蜂蜜色の髪を、大事に指に絡めとった。