ヒミツの王子さま!
視線だけで日向にサインを送る。
るみの話は黙って聞いてるのが一番なんだ。
ひな……黙ってろよ?
だけど……。
それを日向はどう受け取ったのか。
さらに耳まで真っ赤にして俯いた。
……おいおい。
「何してんの?楽しそうだね」
そう言って現れたのは。
「……葉月には関係ない!」
「え、なにそれ。 どうしたの、持田」
「だから関係ないんだって! あっち行ってて」
「はあ? なに怒ってんの」
「なんで?」って俺に聞いてくる葉月は怒られ損。
あはは。
葉月……今は来るべきじゃなかったな。
苦笑いを返すしかできなくて。
俺はるみに気付かれないように肩をすくめて見せた。