ヒミツの王子さま!
壱矢の綺麗に並んだ白い歯がキラリと煌めく。
「意味わかんないんだけど」
俺は大きな溜め息をついてがっくりと肩を落としてみせた。
「だから!!」
壱矢は落ちた俺の肩をがっちり掴むと、子供っぽく笑った。
「俺と付き合っちゃえば?」
「はぃ!?」
笑ってるけど、壱矢の言葉が冗談には聞こえない。
探るようにその瞳を見つめてみても、冗談って言わない!
俺は今、なんとか立っている。
きっと、掴まれたこの手を壱矢が離してしまったら、俺は冷たい廊下に投げ出されるだろう。
「宮沢・・・冗談きつ・・・」
「俺、マジだよ」
・・・・・
にっこりと爽やかで、モテる男の笑顔を見せる壱矢と。
全身鳥肌に包まれ、首を掴まれた猫のように固まる俺。
夢なら覚めてくれっー!!