ヒミツの王子さま!

「ナオ」


るみは俺の腕をグイっと引っ張ると、真剣な顔で俺を見上げた。


その瞳に俺は思わずドキリとした。


迷いのない真っ直ぐな瞳。
特別かわいいとか、美人ではないけど、どこか人を惹き付ける魅力がある。
いつも笑っていて、クラスのリーダー的存在だ。

彼女は日向の親友で、日向が『月』ならるみは『太陽』だろう。


俺はるみから視線を落とすと、溜め息をついてまたるみを見つめた。


「・・・・今回だけだからな」

「・・・・ナオ」



俺の言葉を聞いて、るみの表情はまた花のように明るくなった。



「で・・・何すんの?」



ふわりと風が髪を揺らす。
俺は窓から外を眺めると、るみを振り返った。




めんどーな事になった。



俺がるみに頼まれた事・・・・・・



この星創学園では、学祭と一緒に毎年恒例となっている行事がある。





誰が一番魅力的かを決めるコンテスト。



ミス星創コンテスト――





MSCが開催されるんだ。


俺はなぜか、2年代表で選ばれたらしい。



ギリギリまで渋っていた俺は開催2日前になってとうとう腹を決めたって訳。






つーか・・・・・


俺が『おとこ』ってバレません!?
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