ヒミツの王子さま!
「特技ってなんだよ?」
るみときたら、俺の言葉を聞いて「ああ」と納得している。
「なんでもいいのよ!なぁ~んでも。一発芸とか」
「ふざけんな」
マジでやってらんねぇ。
こんなんなら俺、ぜっっったい引き受けない!!!
そう強く心に誓ってるみに背を向けた。
そんなアホらしいミスコンがあんのか!?
こんなバカげた事を毎年の恒例行事にしてるこの学校にも呆れる!
ブツブツ悪態をついてる俺に全然気付かないのか、るみは大きな声で俺を呼んだ。
「ナオー!!」
俺はそれを無視して歩き続ける。
「ナオーっ!ナ~オ!!ナオってばぁー」
・・・・・・うぜぇ。
なんだ、この空気読めないヤツは。
「咲坂ナオ!!!」
「なんだよっっ」
とうとう振り返った俺を見てるみはにっこりと笑い、両手をブンブンと大きく振った。
「よろしくねぇ~」
なんなんだよ・・・
なんかマジむかつく。
俺は、るみの溢れんばかりの満面の笑みから視線を落とし、がっくりとうなだれた。