ヒミツの王子さま!
鈍感な俺
「本当に出るんだぁ、MSC・・・」
学校の帰り道、日向が驚いて俺を振り返った。
まるで珍しいものを見るかのようにじっと俺を見つめる日向。
「別に、出たい訳じゃないよ。
るみが勝手にエントリーしたんだ」
髪をクシャッとかきあげて深いため息をつく。
「るみが?」
意外だとゆうような反応をする日向が少し気になったけど、俺はそれどころじゃなかった。
特技・・・・
一発芸だって?
それにキレイにドレスアップするってゆうじゃないか!
このスカートにもようやく慣れてきたくらいなのに、そんな自分の姿見たら鳥肌で卒倒する自信がある。
一発芸どこの騒ぎじゃねっつの!
これ以上、自分が『女』になるのが許せない。