ヒミツの王子さま!
日向の声にるみも「急にどうしたの?」ときょとんとする。
・・・・・・・しまった。
今、当たり前のように『オレ』って言っちゃった。
我に返り、顔から血の気が引いていくのがわかる。
やばい・・・・バレた?
恐る恐る、るみの顔を見上げた。
るみときたら、俺達の思いとは裏腹に、まったく気にしていないという顔だ。
きっと、元々口が悪い俺が『オレ』と言っても驚かなかったのだろう。
そう自分に言い聞かせて、安堵の溜息をもらした。
「はあ・・・・」
俺は日向の顔をチラリと盗み見た。
「・・・・・」
「・・・・・」
目が合ったのは、言うまでもない。
ものすごく、恐ろしい日向の顔。
「も~、ナオは緊張感がないんだよ!バレちゃったら退学なんだよ?わかってるの?」
いつになく厳しい日向。
結局、るみが紹介文を徹夜で仕上げる事で無事に(?)俺は家路についている。
日向の説教と共に。
「わかってるって・・・悪かったよ。マジで」
そんなに怒るなよ。バレなかったんだからいいじゃん。
謝りながらも心の中でそうぼやく。
日向はそんな俺に気づいてか、疑いの眼差しで俺を睨んだ。