ヒミツの王子さま!
とりあえず職員室に行くか……。
って、どこだ?
俺は、たまたま目の前を通りかかった女子生徒を呼び止めた。
「ごめん、ちょっといい?」
「え?」
振り返った女の子を見て俺は一瞬、瞬きをするのを忘れてしまった。
真っ白な綺麗な肌。大きな二重の瞳は少し茶色がかっている。
いわば、清純派。
「なんですか?」
その子は不思議そうに俺の顔を見上げている。
うわー。
ちっちぇー……。
「あー…っと職員室ってどっち?」
やべ……なに見とれてんの、俺。
その言葉を聞いた女の子は『あぁ』と言う顔をしてにっこりと笑った。
「もしかして、転校生?職員室ならそこの階段で上がって行けばすぐわかるよ」
そう言って身を乗出して俺の顔を覗き込んだその子は、クリクリした瞳で珍しそうに俺を見た。
「この時期にめずらしいね。君、キレーな顔してるね。すぐにみんなの注目の的だねっ」
・・・・・・・
「…!?」
その子はにっこりと笑うと胸まである栗色の髪をなびかせて、去っていってしまった。
「……」
な…なんなんだよ…
俺は胸に手を当ててバレなかった事にホッと溜め息をついた。
幸先わる…。
つか・・・・バレちゃうと思った・・・