ヒミツの王子さま!
その日の夜―――――
ピリリリリーピリリリリ
俺の携帯がけたたましく鳴った。
「もしもし?」
『あッ!ナオー!?』
受話器の向こうから聞こえてきた声は、壱矢だった。
『お前、先に帰ったのかよぉ?』
「え」
どうやら壱矢は、近くのコンビ二で飲み物を買いに入ったら、壱矢のファンの子に捕まり、なかなか戻ってこれなかったらしい。
ようやく解放されて、また公園に戻って来たときにはもう・・・
誰の姿もなかったようだ・・・。
「ごめん。まじで忘れてた」
『ナオちゃん、そりゃないでしょ~』
結局、壱矢の言ってた“イイところ”には行けずじまい。
どこだったんだ?