ヒミツの王子さま!
ゆっくりと先生に近づく。
なんとなく他の先生の目も気になる。
そっか。
学校側はみんな知ってるんだっけ。
「咲坂ナオだな。お前大変だったなぁ。それにしても……」
成瀬先生は、俺の周りを一周すると顎に手を当ててマジマジと見つめた。
なんだよ、気持ちわりぃ!!!
眉間にシワを寄せ、あからさまに迷惑そうな顔をした俺を見ていた先生はにっこりと笑った。
「これなら、心配ないな」
「は?」
先生は一人納得すると、『こっちへ来なさい』と俺を連れだした。
………
“心配ない”ってどうゆう意味だよ!
心配しろっつの。
仮にも俺の担任になるんだろ?
益々、女らしからぬ顔になった俺をよそに成瀬先生は慎重に声をかけた。
「校長、よろしいですか?」