ヒミツの王子さま!
アクシデント



キイィ――



錆付いた重いドアが悲鳴を上げて開く。


吹き付けてくる柔らかい秋風と共に眩しいほどの陽射しに包まれた。


どこまでも続く青い空。


俺はそれに思わず目を細めた。




屋上はさっきまでの賑わいが嘘だったかのように静まりかえっている。


穏やかな風と、遠くから聞こえる笑い声。


やっと一人になれたのと、この開放感で俺は一気に肩の力が抜けた気がした。



「はあ」






俺は一体どうしたんだ?



なんでこんなにイラついてんだ?



アイツせいか?



ケイゴが・・・・日向の・・・・日向の名前を出したから。



でも、なんで?



なんでそんな事で俺はこんなにむしゃくしゃすんだ?



まじで意味わかんねぇ・・・・




フェンス越しにグランドを覗くと、校門から軒を連ねている各クラスの出し物の屋台が見えた。

一般公開もしているためか、他の学校の制服を着た人もいて、みんな楽しそうな笑顔を浮かべている。

この学校のどこにこんなたくさんの人間が入れるのかと疑いたくなるくらだ。



そして、その屋台の先には大掛かりなステージがあった。

着々とMSCの準備が進んでいるようだ。

忙しそうに、係りの生徒が走り回っている様子が見えた。

時計に目をやると、ミスコン開催まで1時間を切っていた。





俺はそこから目を離して、校舎の方を見た。


俺の視線の先には、さっきの旧校舎も丁度見ることができた。





「・・・あいつ、なにしてんだ?」




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