ヒミツの王子さま!
俺たちは、錆付いた扉の前で途方にくれていた。
さっきまで開いてたのに、なんでだ?
この扉、中からしか鍵はかけられないってのに。
どうする?
これから。
ミスコンの時間も、もうそこまで迫ってる。
・・・ま、俺にしてみたら別に出なくてもいいんだけど。
つーかむしろ出ない方がいいに決まってる。
決まってるんだけど・・・・。
「・・・どうしよ」
すぐ横から今にも泣き出しそうな声が聞こえた。
俺はその声につられるように、顔を上げた。
「ナオ・・・どうしよ~」
俺が顔を上げたのとほぼ同時に、日向も顔を上げた。
その大きな瞳にうっすら涙を浮かべて。
ドキ!!
・・・うっ!
そんな顔すんな。
なんか俺の頭の中、おかしくなりそうだ。
まただ・・・
なんなんだよ。
俺は、その気持ちがなんだかわからなくて、イライラした。
でも、それが日向に悟られないように、さっと視線を逸らすとポリポリと首を掻いて誤魔化した。
「ん~・・・どうするって・・・」
誤魔化しついでに、そう言いながら周りを見渡した。