ヒミツの王子さま!


自然と日向へと行ってしまう視線を無理矢理逸らすために、俺は片手で顔を覆った。




・・・・そう。


今、なによりも俺の意識を奪っているモノ。




手の指の隙間から見え隠れするのは、

風に乗って、軽やかなリズムを作っている



その赤のチェックのスカートだっ!!






大きな風がくると、スカートは遠慮なくめくれてくれる。









「・・・・・・・・」




・・・ったく。見えるっつーの。



手で押さえるとか、そう言う事しないのか?お前は。


俺が「男」って忘れてない?

もう、忘れてるとしか思えない。





俺は、ガシガシと頭を掻くと大きく深呼吸した。






「・・・あ!やだっ・・・始まっちゃった~!!」


悲鳴にも似た日向の声に、俺はハッと顔を上げた。

日向のその声を合図に、グランドから大音量でダンスミュージックが流れ出した。

そして、ざわつくギャラリー。



あ。この曲知ってる。

よくCMで聞くな。





2年代表の「咲坂ナオ」が不在のまま、星創学園のミスコンが始まった。

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