ヒミツの王子さま!
「ナオぉ、こっちの窓から入れないかな」
建物の奥から日向の声。
そうだ。
この上には、確かに天窓があった。
・・・・え?
まっまさか!?
俺は慌てて日向の声がした方に向かった。
ちょうど裏手には、鉄パイプのはしごが付けられていて、さらに上に上がれる様になっていた。
その最上部。
日向はそこから俺を見下ろした。
「ほらっここの窓」
「なにしてんだよ、危ないから降りろって」
日向の頭上に太陽の光が降り注いで、俺は思わず手をかざした。
その瞬間―――・・・・
ビュウゥウウウ
突然の突風。
「きゃあぁあ!!」
「ちょっ・・・ぉわっ!?」
あ・・・ぶなっ!!!!
―――ドサッ
「・・・・・つぅ・・・・」
物凄い衝撃に気を失いそうになる。
・・・・・つか、重い。
「・・・無事?」
「・・・やだ・・・ナオ!?大丈夫?」
すぐそばで、俺の名前を呼ぶ声。
それと同時に慌てた様に俺から飛び下りる日向。
よかった・・・・・
日向、無事だった・・・・
俺、ちゃんと間に合ったんだな。
なんとかギリギリで日向をキャッチ出来た安堵感で、あちこち痛むのなんてどうでもよかった。
「・・・・・・」
「ナオ・・・?」