ヒミツの王子さま!
「でも……ありがとう。
ほんとに、救われた……。日向がいて、よかった」
「えへへ」って笑いながら、るみは少しだけ小さな日向の背中に腕を回した。
きょとんとして、何度も瞬きをした日向だったけど、とたんにその表情を崩してるみを抱きしめ返した。
「……る、るみぃ……」
泣き笑いの女の子たち。
……ったく。
人騒がせだっつーの。
なんだかホッとしてまたひとつ小さく息をつく。
「ナオの出る幕なし、だったね」
「は?」
そう言ったのは壱也。
ヘラヘラ笑いやがって。
きっと、この男にはすべてがお見通し。
うまく解決するのがちゃーんとわかってて、俺が割り込むのを止めたんだ。
さっきまで知らない女子と、仲良くしてたと思うと無性に腹が立つ。
それなのに、ちゃっかり日向助けちゃうし。
「……つか、お前おいしすぎ」
「え? なにがぁ?」
首をひねった壱也。
わかんねぇーの?
絶対に教えてやんね。
そう決めて、俺はふとステージに目をやった。
ん?
結果発表があるみたいだ。