ヒミツの王子さま!
キラキラまばゆい光のストロボ。
目がくらみそうなほど、スポットライトが躍る。
俺たち2年を抜かした、1年と3年の参加者たちがまるで祈るようなポーズで結果を待っている。
審査員は、この学祭に来ている、観客。
今、目の前でステージを見守っていた人たちだ。
彼らはどんな結論を出すんだろう。
ウエディングドレスに身を包んだ、1年の彼女か。
はたまたスレンダーの黒髪ロングの3年の美人か。
この大会が一体なにを目的としてるか、俺にはわからない。
だって、二次審査は『特技』だったろ?
3年のあの人が何をしたのかは見てないからわからないけど、1年のあの子は、特技…と言うか、告られてただけだからな……。
「あ~あ、残念だったね。
ナオが出てたら、きっと話題独り占めだったのに」
すっかり機嫌を直したるみが、ケロッとして言った。
いやいや、俺が出るより日向と壱也で話題独占だろ。
なんて心の中でツッコミながら、俺はジャージのポケットに手を突っ込んだ。
派手なBGM。
ドラムの音が鳴り響いて、そしてMCが大きく息を吸い込む。
『今年のミス星創コンテストを制したのは…………』
ためてんなー……。
って、まったく関係ない俺は、冷めた気持ちでそれを聞く。
ドラムの音が止まる。
『……――2年の、槙野日向さぁぁああん!』
「……」
えええッ!?