社宅アフェクション
よかった。縁日になって本当によかった。2位だったお化け屋敷とは2票差。危なねぇ……


「お化け屋敷やりたかったよな」
「これ以上俺の精神的負担を増やすな。ただでさえ……」
「…なんだよ、ただでさえ」
「別に」
「愛想ねぇなぁ!!」


放課後補習の教室へ移動しながら、俺は酒田にグチをこぼしかけた。
ただでさえ……お化け屋敷をやらなきゃいけねぇのに。


昨日の部活帰り───

 …………………………………………………
「そんで?用ってなんだ」
「部活のことなのですが、運動部以外は学校祭で出し物をすることが義務づけられてるって知ってます?」
「…そうなのか?」
「そうです。ですので、お化け屋敷、やりましょう」
「断固拒否だ」
「勇気のある選択ですね──」
 …………………………………………………


毎年のホラー現象研究会in図書同好会の恒例行事。それを今年、理由もなく中断したら……


呪われるっ!!!!


ため息をつく俺と、それを不審そうに見る酒田は、教室に入った。
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