社宅アフェクション
「大陸、お前、怖いの苦手だろ?」
「うん。怖いの苦手」


2人きりの帰り道、疑問に思っていたことを聞いてみた。


「じゃあなんで、部活の出し物でお化け屋敷やるって言った時、あんなに楽しそうだったんだ?張り切ってただろ?」
「ん~と、今までさ、部活入ったことなかったから、学校祭で部活の出し物やるっていうのが新鮮で嬉しくなっちゃって」


少し興奮気味に話し始めた大陸だったが、だんだんトーンが低くなってきた。


「だけど、よく考えたらお化け屋敷だよね。なんだよね。怖くなってきちゃった…でも、さつきちゃん、すごく楽しそうなんだよね」


あの目黒が楽しそうって…


「笑うのか?あいつ……」
「ううん。でも雰囲気でわかるよ?だから、途中でやめたくはない…かな?」
「そうか。大陸は優しいな」


俺は大陸の頭をなでた。
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