社宅アフェクション

「勝彦!?あれ、朝練は？」
「テストの日まであるわけないだろ？つか、お前、早くねぇか？」


少し驚いた勝彦の顔。それもそうだろうな。毎回、テスト前日は徹夜だったから、当日は遅刻ギリギリが当たり前だった。


「私だってね、もう3年生だしぃ？勉強にくらい目覚めるよ」
「3年生関係ねぇだろ。だよな、それくらい勉強しねぇと、俺の背中すら見えねぇもんな」
「う、うるさ～い!!この5日で私はすごく成長したんだから!!あんたの背中つかんで引き倒してやる!!」


勉強する時間を(直人が)だいぶ減らしたはずなのに、何？その余裕そうな顔…だけど！


「絶対に渡さない！大陸とのデート権!!」
「勝てると思ってんの？ワースト20が、トップ20に」
「ふん、見てるがいいわ!!さ、勉強するから邪魔しないでよね！」


“さんざん直人に俺の邪魔をさせたくせに”という勝彦の言葉は、驚いたけどシカトした。



勝負開始が、あと1時間20分と迫っていた。