社宅アフェクション
徐々にクラスメートが集まってきて、全体のテストムードが高まってきた。
大丈夫、大丈夫……私だって勉強したんだ!

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今まで感じたことのない緊張感が、私を襲っていた。
そしてその時は意外にも早くくるようで……


「テスト配るぞ!関係ないものはカバンにしまえー!携帯鳴ったらカンニングにするぞー!」


携帯の電源は切ったし、机の中も空っぽ。シャーペンと消しゴムを出して…あれ、消しゴム出して……なんでぇ~っ!?さっきまであったじゃん!一緒にいたじゃん!なんで今頃旅立つのよぉ!?


「準備いいな?テスト配るから裏返しでまわせよ!そこ、もうしゃべんな!」


ま、まずい。誰かに借りなきゃ…でも話したら先生に怒られる。あっ、プリント渡す時に後ろの人に……ダメだ!出席番号順になってるから、後ろは本庄勝彦だったぁ!!


消しゴム、消しゴム~っ……あっ!!シャーペン!!この、上についているコレは……消しゴムだぁ!!ちっさいけど──


「いける……っ!」


まわってきたテストを、私は自信をもって受けとった。
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