社宅アフェクション
「それでは始めっ!!」


大陸、私はあなたのために、この勝負、絶対に勝ってみせるからね!!




そして、お昼をむかえる頃、1日目の試合が終わった。


「ふぅ……乗り切った……」
「テストは今日で終わりじゃねぇぞ?俺に勝つのに気ぃ抜いていいのか?」


うぐっ。うるさい、勝彦!私の後ろにいるくせに!私はシャーペンを勝彦の前につきだした。


「抜いてないわ!!消しゴムがない中、このちっさいので頑張れたから安心してんの!」
「テストの日に消しゴム忘れるとか…俺、予備持ってるから…」
「えっ……」


とりあえず“バカ”って罵られると思った。なんだ、言えば貸してくれたの?私、勝彦のこと勘違いして───


「まぁ、予備は俺のためのものだから、忘れたバカに貸す気はねぇけどな。バーカ」
「………っ!!!!忘れたんじゃない!!旅立たれたんだよっ!!」
「消しゴムは死なねぇよ」
「ちが~うっ!!もういい、私帰る!」


してない!勘違いしてないっ!!
カバンをひっつかみ、私は教室を出た。
< 135 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop