社宅アフェクション
残りの3日分のテスト期間も、私は一番に教室に入った。ただ少し変わったことは、勝彦がいたこと。


同じ社宅にいれば、登校にかかる時間も同じなわけで……


「お前と2人で登校すんのって何年ぶりだ?」
「小学校1年生ぶりでしょ?2年生からは蒼空がいたから」
「ふ~ん……なんかキモいな、お前と登校すんの」
「あぁ?だったらついてくんな!シッシッ!!」
「お前のほうが後ろ歩いてんじゃん。嫌なら走れば?」
「朝練代わりに勝彦が走れっ!!」


ムカつくなら登校時間を少し早めるか遅くすればいいだけだった。でも結局、私は同じ時間に家を出た。




むかえた最終日のテストは、得意な歴史で幕を閉じた。
そして、今日からまた部活が始まる。5月のインハイ予選で、私を含んだ団体が、8月のインハイ出場権を獲得した。


テストの結果は気になるけど、部活も頑張らなきゃ!!


「真綾。何かに燃えているところ悪いけど、テストどうだったの?」


頭を部活に切り替えていると、佳乃がいつもの席に戻ってきた。


「上出来!私、今人生で一番いけてる!この調子で部活もバッチリいける!!」
「そ、部活はどうでもいいけど。京子の努力が無駄にならないなら、それでいいわ」
「……う、うん…」


なんかやっぱり、佳乃って私に冷たいよなぁ。
とりあえず、部活行くか。


放課後補習のない最後のテスト日を、部活に費やそうと、かばんを手にとった。
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