社宅アフェクション
部活が終わった後、俺はすぐに図書同好会の部室に向かった。
大陸に話をするのに明日まで待つ必要ねぇ。自分から会いにいけばいいじゃねぇか。


部活をやっていなければ、家にいけばいい。どうせ隣なんだ。


部室は鍵がかかっていた。でも、中が明るい。今までなかったことだ。
なんだ?中にいるのか?


「大陸!目黒!俺だ、本荘だ!中にいんのか!?いんなら開けてくれ!」
「鍵を閉めているのに、中にいると思いますか?部長?」
「うおっ、め、目黒!」


俺も慣れてきたのか、後ろから急に声をかけられても、叫びはしなくなった。


「野球部のほうは?」
「終わったよ。それで……」
「手伝いにきてくれたのですね。青葉くん、用事があると帰ってしまったので、助かります」
「大陸いねぇのか…それじゃ……」


帰るか。俺が用あるのは、図書同好会じゃなく大陸だ。
しかし俺の制服のそでは、すごい力でつかまれていた。


「本荘部長、どちらに?」
「いや、帰ろうと……はなしてくんね?」
「何をおっしゃっているのですか。開けてくれと懇願していたのに」
「いや、懇願って……」
「ほら、開けましたよ。さぁ、やることは山積みです。一緒に頑張りましょう」
「やめてくれぇぇぇぇ!!!!」



学校を出たのは、8時近くだった。
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