社宅アフェクション
結局、夜も遅いから大陸には会えなかった。

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         ≈≈≈≈
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「今日から部門だよな!食堂部門って屋台だろ?試食とかあんのかなぁ!あ、当日の余りものって、絶対タダでもらえるよな!」
「あぁ、多分な」
「そしたら本荘にも分けてやるよ!」


酒田が珍しく、朝からハイテンションだ。高校生になって初めての部門が、よほど楽しみらしい。


「何?楽しみじゃねぇの?本荘は。自分で選んだ装飾じゃん」
「まぁな。真綾がいなけりゃ、楽しみだな」
「2人で示し合わせたんじゃないのか?」
「ちげーよ。嫌がらせだ、あっちの」


テストの合計点での勝負の勝敗さえ早く分かっちまえば、テンションあがるけどな。



初の部門に思いを馳せながら(?)の朝練を終え教室に入ると、ざわついていた。
俺は近くのやつをつかまえた。


「なんかあったのか、この騒ぎ」
「あぁ朝練組か。さっき先生きてな、昼休みにテスト結果返すって」


俺は驚いた。テストは昨日、全教科が終わったばかりだ。こんな短時間で集計まで終わらせたのか?
酒田も驚いたようだ。


「えっ、テストって今回の!?早すぎね!?」
「3年生は復習する時間をなるべく多くとるために、毎年、最終日の翌日には全教科返却するんだと!徹夜だってさ!」
「マジかぁ。部門までに気分下がるわ」


驚きはしたが、部門前に勝敗が決まるのは俺にとっては好都合だ。
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