社宅アフェクション
真綾を見てみると、緊張した様子もなく、京子や佳乃と楽しそうにしている。


なんだ、あいつ。自信あんのか…?


期待はずれ感を抱きながら、俺は席についた。


朝のHRでも、テスト結果に関して同じ話があったが、やはり真綾に動揺はなかった。
その様子に、逆に俺が不安になり、集中力の欠けたまま、午前を過ごした。



そうしてむかえた昼休みは、まるでお通夜のように静まり返っていた。そんな中、名前を呼ぶ先生の声だけが響いていた。


「羽島貴文!おい、早く取りにこい!……次、花巻真綾!」
「は、はいっ!!」


真綾が教卓へ歩みを進める。


「花巻、どうしたんだ?今回、頑張ったじゃないか。ようやく自覚がでてきたみたいだな」
「ありがとうございます!」


結果表を見る真綾の顔は嬉しそうだ。


「次、本荘勝彦!」
「はい…」


俺は、真綾と入れ替わるように、教卓の前に立った。

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