社宅アフェクション
ガタッという音とともにイスが動く。そしてフラリと立ち上がった影は──


「1年C組の男子代表、青……」


りっ……


「……山昴(すばる)です」


だれぇぇぇ~っ!?


「帰宅部なので、部門精一杯頑張ります」


いやいやいや、精一杯頑張りますじゃないよ!!なんで!?そこは青葉大陸でしょ!あ、あれ?装飾部門って言ってたよなぁ……?


隣には、同じように驚いた顔の勝彦がいた。


「大陸、いないんだけど……」
「あ、あぁ、いねぇな……」
「私、放課後ずっと大陸と一緒にいれると思って装飾部門にしたんだけど」
「俺だって、なるべく大陸のそばにいるためだけに装飾にしたんだ」
「これって大陸と……」


離別!?


「え~、続いて2Bさん、お願いします」
「はいっ!」
「あ、ちょっと、男子から…っ」


呆然とする私たちを尻目に、自己紹介は続いていた。


「2B女子代表、青葉蒼空です!真綾お姉さまと一緒なら、どんな大変な作業も苦もなくできます。よろしくお願いします、お姉さま♡」
「は、はいっ!?」


シャットアウト寸前の私の耳をこじ開けた言葉はあまりに衝撃的で、私は思わず、変な返事とともに立ち上がってしまった。


「な、えっ、そ、蒼空……?」
「お姉さまと一緒で感激です♡」


なんか蒼空がいる~っ!?
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