社宅アフェクション

「大陸に会いにきたんだよ？ほら、最近は朝も帰りもバラバラだからさ」
「ホントだね。僕もあや姉と話せて嬉しい！」


あ～、やっぱり天使だなぁ、この笑顔！


「青葉くん、この方は？」
「僕のお隣のお姉ちゃん。花巻真綾だからあや姉！かつ兄と同い年だよ？」
「花巻先輩…ですか。入部希望ですか？ありがとうございます」
「えっ!?あ、いえいえ…」


うおぅ、勝手に話が進むとこだった。この子、確か目黒さつきだっけ…恐ろしい子だ。


「大陸に用事があっただけだから。大陸、久しぶりに一緒に帰りたいな。何時に終わるの？てか、何作ってるの？」
「お前には関係ねぇよ。１人でとっとと帰れ」
「勝彦には聞いてないし！」
「お化け屋敷だよ!!ね、さつきちゃん」
「はい」


えっ、お化け屋敷……？
いつかの直人の言葉を思い出した。


“かっちゃん、怖いの全然ダメじゃん”


あれ？これって…まさか……


ニヤニヤしだした私の顔を、苦々しい顔の勝彦が見ていた。