社宅アフェクション
次の日、朝練を終えて教室に入ると、無駄に浮かれる真綾の姿があった。


よし、まだバレてねぇみてぇだな…
あいつら、一応約束は守れるみたいだ。


真綾が昨日、バカみたいに打ち明けた作戦に対する作戦は密かに始まっている。

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放課後はクラスの出し物の準備。執事やメイドはともかく、喫茶だから、それらしいメニューを考えることから始まった。


「飲み物は、コーヒーとお茶とジュースがあればいいよね」
「大雑把すぎじゃね?モカ、とかラテ、とか」
「細かっ!!女子かよ!!」
「煎茶とかほうじ茶とか玄米茶とか?」
「ラインナップ、年寄りだなぁ」
「メイドさんの手作りパフェ!!」
「今飲み物の話ですけど!?」


あちこちで勝手に話が盛り上がって、収拾がつかなくなっている。学校祭運営委員が偶然休みなのも災いしている。


「はぁ……部活行きてぇ…」
「部活バカはなんか提案ねぇの?」


俺の独り言に、酒田が反応した。
提案、ねぇ……


「飲み物はリンゴ、ミカン、コーラ、サイダー、ウーロン茶、麦茶、アイスコーヒーとココアあたりが妥当だろ。食いもんはたこ焼きとかお好み焼きとか、粉もんは楽だし、出店や食堂ともかぶんねぇし……って、は?」


ひとりでボソボソ話していたつもりだったが、いつの間にかクラス中に注目されていた。
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