社宅アフェクション
勝彦に何があったんだろう。つっかかるような言い方しかしないやつだったのに。


話をしてみようか。でも、なんて?
“勝彦、なんか変なものでも食べた?”“熱あるの?”
違う、違う!ふざけることじゃない!


昨日のメールの返信もらってないことから話を広げる…とか?でもそれじゃ、ついでみたいじゃん!


なんてモヤモヤ考えているうちに、放課後になっていくのだった。



「よし、私らしくいこう!」


率直に思ったことを言おう。そう決意したのは帰りのHRが終わった時だった。
でももう遅くて、勝彦の席に目をやると、その姿はなかった。


「いくらドアに一番近いからって早くない!?」
「それほど部活にかけてるってことだよ」
「うん……。っ!!直人!?」
「席、前後なんだから、そんなに驚くことないじゃ~ん!ハニーの考えてることは大体分かっちゃうし、俺!」


直人の性格はうらやましいと思う部分もあるけど、やっぱりちょっと苦手かも…。勘が鋭いから…


「別に勝彦のことで思い悩んだりとかは…」
「さぁて、俺、掃除当番~!早く部門も行かないと~!」
「は?え、な、直人…?」


なんなんだろう?人をドギマギさせといて、話も聞かずさっさと行っちゃった。


今日はみんな変な感じ……


私は勝彦も大陸もいない装飾部門の教室へ向かった。
(「お姉さま!蒼空がいますよ♡」)
< 182 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop