社宅アフェクション
とりあえずバルーン班の仕事は来週からになったから、部活のあとにお化け屋敷を手伝う形で放課後を乗り切ることになった。

          :
          : 
         ≈≈≈≈
          : 
          :

そして迎えた週末──


「いらっしゃい、京子!佳乃!」
「いやぁ、社宅なんて久しぶりにきたよ!」
「おじゃまします…ていうか、なんで真綾の家なのよ!私の家から一番遠いじゃない!」


佳乃が文句を言っているが、いつものことだから無視する。
今日は日曜日。なぜこの2人が家にきたのか、
そう、メニューの試作をするためだ。ついでにポスター作りやお化け屋敷の小道具作りもしちゃおう、という流れだ。


どうして私の家なのか、それは……


「…あれ、鍵あいてる?」
「だめだよ、なおちゃん!チャイム押さないと…あぁ!!」
「おじゃましま~す!ハニーたち、いる~?」
「人んち勝手に入んな、泥棒が!!!!…青葉、おはよう」
「いってぇ…なんで俺だけ?京ちゃん…」


大陸と直人も集まる予定だったから。社宅率高いし、偶然、両親が留守している私の家に集まることになったのだ。


「あぁ~あ、男はきても、勝彦くんがいないんじゃあね…」
「仕方ないだろ、かの子。本荘たちは日曜も練習あんだから」
「分かってるわよ!ほら、早く試作始めよ!!」
「ねぇ、今日の俺らの仕事って試食?」
「大陸くんと、お化け屋敷の準備でしょ!!」


“へ~い”と適当な返事をしながら、直人は大陸を連れ、リビングへ引っ込んでいった。
< 184 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop