社宅アフェクション
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          ≈≈≈≈
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「ほらよ、真綾」


昨日洗ったタッパーを、教室に入ってすぐ、真綾に返した。


「どうだった?味」
「あれね、俺考案!作ったのも俺!」


直人が作ったのか。こいつ、ムダに器用だな。


「うまかった……ありがとな、お前ら」
「えっ、あ、うん。どういたし、まして…」
「京子たちにもあいさつしとくか。メニュー係任せちまったし」


そのまま、京子と、そこで話をしていた佳乃に声をかけた。
そして朝学習のプリントが配られ始めたから、席に戻った。


「なぁ、本荘。お前、何したんだ?」
「あ?何がだ?」
「だってさ、宮崎たちの顔……」


酒田に言われて振り向いた。
直人と真綾、京子と佳乃が俺を見ている。その顔は、何かにすごく驚いていた。


「俺はただ、昨日の礼を言っただけだ。メニュー試作の…」
「それだ、本荘」
「は?」
「最近、やっぱり変わったよ。お前」


変わった……そんな感じは、自分ではしない。
だが、周りがそう言うならそうなのだろうか。
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